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リーディングス 日本の教育と社会 第19巻 仕事と若者

リーディングス 日本の教育と社会 第19巻 仕事と若者

 

リーディングス 日本の教育と社会 第19巻 仕事と若者

カタログPDF 内容見本

監修

広田照幸(日本大学教授)

編著者

本田由紀(東京大学)
筒井美紀(京都女子大学)

巻数

全1巻

体裁

A5判上製・各平均380頁

本体 3,500円+税
ISBN 978-4-284-30263-0
刊行年

2009年03月刊

教育の「いま」を読み解き、「未来」につなぐ知のアンソロジー

 
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特 色

混迷を深める現代教育における20の諸問題を、「社会」とのかかわりから深く考察する、教育分野では初の本格的なリーディングシリーズ。

教育の現在、そして未来を考えるうえで重要な論文・関連資料は(平均25点)を、テーマごとに気鋭の研究者たちがセレクト。

表層的に捉えられがちな教育問題を深く考察できるよう、収録論文・資料は最近10〜15年間に発表されたものに限定し、収録。

テーマの全体像、収録論文・資料の果たす役割について、各巻の編集が懇切丁寧に解説。巻末にはそれぞれのテーマにアプローチする際、便利は「主要論文一覧」を収録。

内容構成

若年就労問題や仕事に対する若者の意識、フリーター・ニートなど「仕事と若者」をめぐる関係や問題の背景、そしてこれからの“仕事”のあり方を問う論考22点を収載。

I:若年就労問題の背景
「『パラサイト・シングル』の言い分」玄田有史
「年功序列の光と影」城 繁幸
「貧困化と二極化のなかの女性労働」中野麻美
「高卒就職の認識社会学―『質の内実』が『伝わる』ことの難しさ」筒井美紀
「『知育偏重』観をなぜ克服できないか?」田中萬年
「若年労働市場の構造変化と雇用政策―欧米の経験」三谷直紀
II:社会的変数の影響
「若者の教育から職業への移行における『格差』形成―日本型選抜の趨勢と支援」堀 有喜衣
「ジェンダーとフリーター・ニート―性別役割分業は若者の就業
にどう影響するのか」村上あかね
「ソーシャル・ネットワークと移行」沖田敏恵
「地域の中の若年雇用問題」太田聰一
「若年無業者の実像―経歴・スキル・意識」本田由紀・堀田聰子
III:仕事に対する若者の意識
「『やりたいこと』という論理―フリーターの語りとその意図せざる帰結」久木元真吾
「『自分らしさ』志向は若者だけのものか?」阿部真大
「『“引きこもる”アイデンティティの獲得』とその支援」淡野登志
「召喚されるふたつの『墓掘り人』小泉支持と正社員願望」高原基彰
「若年野宿者の形成と現存」林 真人
IV:若者への社会的視線と若者による抵抗・運動
「フリーター・ニートとは誰か―つくられるイメージと社会的視点の封印」児美川孝一郎
「お前もニートだ」内藤朝雄
「ロストジェネレーションの仕組まれた生きづらさ ―『95年ショック』と強要される『自分探し』」雨宮処凛
「生活困窮フリーターと『貧困ビジネス』」湯浅 誠
「偽装請負―内部告発者の現状」小森 彦
「フリーター全般労働組合についてのあれこれと詩」安里 健・高橋良平

刊行のことば

●監修のことば

広田照幸(日本大学教授)
 近年のデータベースの整備等により、教育の諸問題に関わる研究の情報も、その入手はきわめて容易になった。しかし、その一方で、大量の論文が生産されるようになってきた結果、主要なキイ・ワードに対するヒット件数があまりに膨大になり、かえって情報の大海の中で方向がわからなくなるという事態も生じている。「知」の世界の広がりを見通すのがなかなか難しい時代である。
 そうした中で、学部学生・大学院生や、教員をはじめとする教育関係者の方々などに、特定主題に関する学問の広がりや深まりをコンパクトに伝えたいというのが、本リーディングスの大きなねらいである。
 教育の諸問題は、現象の考察・分析をおざなりにして「どうするべきか」を性急に問うと、視野が狭い一面的な対応に陥りやすい。教育に関する日常の常識は、誤謬や偏見をたっぷりと抱え込んでしまいがちだからである。特に、社会的視点が欠落した教育論にそれが強い。まずは、「何か起きているのか」「現象をどうみるべきか」「どの側面からその事態を考えていけばよいのか」について、社会的視点をふまえて掘り下げる必要がある。
 教育と社会の関係は、教育が社会の変化に影響を与える側面、社会が教育のあり方に影響を与える側面、教育の場や関係が一つの社会的なものとして存立している側面など、多面的である。本リーディングスは、そうしたさまざまな面をあつかった、すぐれた論文を集めて収録した。
 実証的な社会科学的手法が隠れた構造や機能を明るみに出すこともある。深い思想的な洞察が、現象の背後の本質をつかまえることもある。歴史的な視点や比較という、視点が、目の前の現象に固有な特徴を浮き彫りにすることもある。このような教育研究の「知」の世界の広がりが多くの方に理解され、さまざまな現象がそのレベルからとらえ直された時、教育問題をめぐる議論は、より視野が広くバランスがとれたものになるはずである。

推薦のことば

教育の混迷を解き明かし、明日への希望をつむぐ知の宝庫!
尾木直樹
(教育評論家・法政大学教授)
 今日の教育界は、かつて経験したことのない程混迷と矛盾を深めている。
 少年による凶悪事件が連続すると、少年をバッシングし、親の責任を問う。学校では「教育の構造改革」の名の下に、「学力の向上」をテコにしたエリート教育や教育の差別化が教育条理を無視し、市場主義原理に乗って進む。 21世紀を切り拓くにふさわしい「地球市民の育成」の視点など片鱗も見られない。 PTAからは「挨拶カレンダー」が各家庭に配布され、計算の「反復ドリル」や「早寝・早起・朝ご飯」運動が推奨される。
 どんな学力かを問うこともなく、授業時数を一時間でも増やし、全国一斉テストで競わせれば、学力が伸びると信じているようだ。
 子どもの尊厳を守り、学校や地域づくりに参画させる気もないのに、ペナルティだけは強化し個人責任を問う。
 今日の大人社会は、次世代の子どもたちを成長させる広やかな心構えもその力量も喪失したのではないか。
 そんな絶望的な折も折、本シリーズは子どもに寄り添いながら現象の深層に分け入ろうとしている。社会的・歴史的視点から事の本質を分析しようとしている。同時にどうすべきか、総合的・科学的展望をも力強く提示している。
 なんとタイムリーな企画であることか。
 必ずや今日の教育の混迷を解き明かし、明日への希望をつむぎ出してくれるに違いない。是非、揃えたいシリーズである。


あなたも教育を社会科学してみませんか?
苅谷剛彦
(東京大学教授)
 日本の教育の論じ方が変わろうとしている。かつては、高く掲げられた理想的な視点から、現実の教育の問題点をたたく「べき論」や、個別の経験や印象に基づく体験的教育論が幅をきかせていた。マスコミに代表されるような、型どおりの見方に凝り固まった教育批判もあふれていた。
 ところが、近年、教育の実態を正確に捉え、さらには教育を取り巻くさまざまな環境との関係をしっかりふまえなければ、どんな理想論も教育批判も地に足のついた議論にはならない、そういう見方が、少しずつだが、社会で受け入れられるようになってきた。一言で言えば、実証性を重んじる社会科学的な教育研究である。今回発刊となる『リーディングス 日本の教育と社会』は、そうした新しい教育研究の宝庫である。
 各巻に収められた論考は、いずれも第一線で活躍する教育の社会科学者たちの手による。取り上げられるテーマも、現在、そして近未来の教育を考える上で、喫緊の課題に応えるものばかりだ。実証的な研究の集大成だけに、重要なデータも満載である。先端的な分析方法や理論的な背景を学ぶこともできる。大学教育の場ではもちろんのこと、広く一般の読者にとっても、教育問題への社会科学的アプローチを学ぶ絶好のテキストなのである。
 あなたも、教育を社会科学的に考えてみませんか。その扉が、このシリーズによって開かれようとしている。


表層的に語られがちな「教育問題」の深層を読み解く洗練されたアンソロジー
佐藤 学
(日本教育学会会長・東京大学教授)
 「教育問題」がこれほど人々の関心を集めているのは、おそらく、問題の一つひとつが現代日本の社会が抱え込む深部の問題と直結しているからだろう。しかし、「教育問題」は、人々の関心が強いだけに、そして誰もが一家言を持っているだけに、それぞれの印象によって表層的に語られがちであり、その本質や深層が究明されないまま、マスメディアの市場において「ブーム」として浮沈し消費されがちである。現代日本の「教育問題」を20の
テーマに整理し、それぞれのテーマに関する最近10年間の重要な論文を解題付きで編集したこのシリーズは、とかく表層的に語られがちな「教育問題」の深層を読み解く洗練されたアンソロジーである。
 このシリーズの魅力は、誰もが関心を寄せる「教育問題」を、現代日本の社会構造の変化と結びつけて「問題」の現象の布置を明らかにし、その社会的・歴史的意味を解読している点にある。「教育問題」の今を読み解くことは、明日の社会への展望を読み解くことに直結している。大学の講義やゼミナールの参考資料として、市民の研究会のテキストとして、さらには「教育問題」を報道するジャーナリストの必読文献として、本シリーズが一人でも多くの人々によって活用されることを期待したい。

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